法界山 誓欣院

なぜお寺にお墓があるの?

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奈良時代~平安時代のお墓の存在

 

 

お寺の境内に墓地がある光景を見たことがある人は多いかもしれませんが、

なぜお寺の境内に墓地があるのかと不思議に思っている人も多いかもしれません。

 

これは寺院墓地と呼ばれるものであり、それぞれの宗派のお寺により、

管理や運営がなされている墓地のことを指しています。

 

お寺とのつながりが強いので、檀家になることによって、

手厚い供養を受けることができ、

節目ごとの法要等に関しても、安心して任せることができます。。

 

そもそもこのような寺院墓地は、

お寺の境内や寺院などに隣接する敷地に設けられていて、

寺が主体となり管理や運営がなされています。

 

お寺に墓がある光景は、

日本人が昔から見てきた馴染み深いものでもあるかもしれません。

 

奈良時代~平安時代の僧侶は、官僚に準ずる存在で、朝廷の儀礼や国の平穏を祈る

法要などを行わなくてはいけない義務でした。

死のけがれがつくのを恐れていたからです。

 

また貴族者が多いので、

葬送といった卑しい行為に関わることを嫌ったといことでもあります。

墓を造るという事もまだ一般化されていませんでした。

 

専用の墓所を所有していたのは

藤原氏のような一部の上流貴族だけだそうでした。

 

そのほかは、遺体を火葬にして放置されてました。

 

庶民は、道や川原に捨てていく事が多かったのです。

平安末頃になって朝廷が僧侶の活動を認めるようになり、

特定の寺院に墓地を造ることや、墓所に建てたお堂を寺院として、

認めるようになったことから墓地のある寺院が一般化していきました。

 

 

江戸時代から檀家制度

 

 

多くが寺院の敷地内である境内や寺院に

隣接する敷地に設けられているのが一般的です。

 

 

そして名前からもわかるように、お墓の管理や運営等に関しては、

全てお寺が直接行うのが特徴です。直接運営を行っていることから、

葬儀や法要、供養なども全てお任せすることができるでしょう。

 

 

お墓が寺院の敷地内にあるため、管理面での安全性も大きな期待が持てます。

基本的にはそれぞれのお寺のお檀家のための墓であり、

お寺とのつながりが深いのも他の種類のお墓にはありません。

 

 

お寺と檀家の歴史は江戸時代まで遡ることになります。

 

その当時はすべての世帯において、

特定のお寺に属することが義務付けられていたのです。

 

そして双方はお互いを支え合う存在となっていました。

 

 

特定のお寺の檀家になることによって、

経済的にお寺を援助する代わりに、葬儀や供養等は優先的に行ってもらえることから、

たとえお盆などのような繁忙期になっても、困る事はありませんでした。

 

 

必ずしも檀家になる必要がないところもあるものの、

実は寺院と檀家との関係はかなり大きな特徴の1つとも言えます。

 

そして境内にお墓があることから、本尊と僧侶が常に近くにいるのも特徴です。

 

 

常に仏様が近くにいてくれる安心感、

毎日のように住職の読経の声も聞こえてくることから、

先祖には大きな安らぎが与えられるはずです。

 

 

それだけではなく年忌法要に関して

困ったことやわからないことがあった場合には、

直接相談をすることもできるでしょう。

 

 

法要の際、また万が一不幸があり葬儀を行う場合にも、

堂を利用することができます。一般的な葬儀会場と比べた場合にも、

かなり格式の高い葬儀を執り行うことができるのです。

 

 

このような寺院の場合には、永代使用料とところによっては、

管理料がかかる所もあり、墓石代などの費用がかかることになるでしょう。

 

この中でも1番大切なものが永代使用料と呼ばれるものであり、

契約する際に必ずかかる費用に当たります。

契約の際に一括で支払うことが多いです。

 

 

現在のお墓事情

 

 

現在の法律においては、勝手にお墓を好きなところに立てることはできません。

霊園や土地を使用することになるでしょう。

 

場所代として永代使用料を支払うことにより、

使用者や継承者がいるのであれば、その場所を使い続けることができます。

 

その相場としては20から200万円とかなり大きな幅があるのが特徴であり、

立地条件や選ぶ区画の広さ、設備の状況などが大きく影響を及ぼします。

 

 

これは不動産にも同じようなことが言えるでしょう。

そしてもう一つが管理料と呼ばれるものであり、

 

 

一般の霊園には必ず管理料も発生しますが、

お寺によっては、管理料が無い所も多いです。

 

 

 

運営や共通して使う設備の維持、管理などに必要なものです。

多くは1年に1度支払いを行うことになります。

 

これも寺院によって大きな幅があるものの、

相場は5000円から2万5000円程度となっています。

 

運営方針により異なるものの、その他の0円と比べた場合には

やや割高に設定されているケースが多いです。

 

 

施設使用料、お布施等と言う名目により収めることもあるでしょう。

この施設使用料は税金の対象になるので、

ほとんどの寺院が施設使用料を頂かないケースが多いです。

 

 

そして最後にお墓を建てる墓石代ですが、

これは選ぶ墓石の種類やデザインで価格が大きく異なります。

 

 

そして特徴のある費用の1つに檀家になるための費用が挙げられます。

その1つが入檀料と呼ばれるものであり、これは寺院墓地特有の費用と言えるでしょう。

 

檀家になる時に支払うことになりますが、これもお寺によりかからないことが多いです。

 

 

 

費用はお寺によっても異なりますが、10から30万円が相場となっています。

そして護持会費と呼ばれるものであり、これは寺を管理維持、

そして運営するための費用に当たります。

 

 

年間で定額制になっているところもあれば、

それぞれの檀家の任意になっているところもあります。

 

 

お布施は檀家になると支払う機会が多くなります。

お礼や感謝の気持ちとして支払うものであるため、

決まった金額はありません。

 

 

お通夜や葬儀の際の読経や供養においては30~200万円、

年忌法要であれば3から10万円ほどがおおよその目安となっています。

 

 

それぞれの寺院により費用の相場が大きく異なるため、

管理する寺院に確認することが求められます。

 

 

何といっても安心感があることや手厚い供養が受けられる事は

大きなメリットです。

 

比較的アクセスしやすい場所にあることも多く、

地域に密着していて身近にも多くあるため、

お墓参りなどもしやすいです。

 

この記事を書いた人

長田 明頼

当寺院の三十二代目の住職をしております長田明頼です。明るく拓かれたお寺作りを基本理念とし日々精進しております。私のお寺では不幸ごとだけではなく、仏前結婚式・お悩み相談・体操教室・開運等、幅広く活動させて頂いております。心より御来院をお待ちしております。

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