お寺の住職後継者
目次
お寺の住職の後継者問題
お寺の住職といえば、維持や管理を行う人を指しますが、
一般的には和尚さんというイメージがあります。
実際のところは施設によって異なりますし、
必ずしも和尚さんが住職を務めているとは限らないです。
近年は少子高齢化もあって、他の業界と同じく
住職の後継者問題が議題に上がることが多いといえます。
お寺の住職は、子供達にお寺を継がせたくない?
通常、住職の後継者は世襲だったり、
本山からの推薦で迎え入れられた僧侶が務めることになります。
つまり子供がいる住職は親子で引き継ぎ、
未婚だったり子供がいない住職は本山から紹介してもらい、
推薦された僧侶に住職を任せるわけです。
従来は子供が跡を継ぐケースが多かったですが、
現代では多様性の受け入れということもあって、
子供に跡を継がせたくないと考える人や、
家業を継ぎたくないと考える人が少なくないです。
いずれにしても、少子高齢化と時代の変化によって、
お寺の住職は後継者に悩む状況となっています。
女性の住職
お寺という性質上、女性が住職に就くのは、まだまだ少ないです。
女性も僧侶や住職になれないわけではありませんが、
残念ながらまだまだ女性が活躍するイメージとは程遠いのが現状です。
とはいえ、女性だからという理由で道を閉ざすのはNGですし、
今この状況だからこそ女性の活躍の場を増やすことが、
後継者問題の解決策の1つになると考えられます。
これまで、女の子しかいないお寺では
婿養子を迎える形で後継者が決められてきました。
また男の子がいても跡を継ぎたがらない、
そういう理由でも養子が迎えられるケースは珍しくないです。
お寺は、廃寺か合併
子供がおらず後継者が見つからない場合は、合併か廃寺を決めることになります。
合併は文字通り複数の寺が、生き残る為に1つになることを指します。
一方、廃寺は廃止の意味で、継続を諦めた末の結果となります。
仏教には様々な宗派がありますし、
横の繋がりが強いので、相談すれば何とか後継者を見つけようと協力が行われます。
それでも後継者があらわれないとしたら、
廃寺は現実のものとなりますし、現実と向き合って決めなくてはいけなくなります。
しかし、現代で廃寺になるケースはそれほど多くなく、
他から僧侶が派遣される形で就任することも割りとあります。
存続は宗派を超えて宗教全体の課題ですから、
協力できるところが協力して取り組むのが基本です。
ビジネスではアイデアや独自性が成功の鍵を握りますが、
これはどうやらお寺にも当てはまるようです。
収益が第一ではないとしても、
やはり寺院の運営にはお金が掛かりますから、
運営に必要な収入が得られる体制が不可欠です。
人が集まるところには自然とお金も落ちるので、
集客というと語弊がありますが、
人が足を運びたくなる運営に取り組むところが目立ち始めています。
気軽に足を運べて話ができたりリラックスして過ごせる。
そういった心理的なハードルを取り除く運営の見直しにこそ、
現代の困難を乗り越えるヒントが隠れていると思われます。
受動的に変化を受け入れるだけでは変化を乗り越えられませんし、
それこそ後継者問題の影響をモロに受けることになり得ます。
逆に、困難に対して積極的に立ち向かう姿勢を見せる住職こそ、
後継者を見つけて次にバトンを繋げることができると考えられます。
大切なのは後継者がいないからと嘆くのではなく、
柔軟性を持って積極的に後継者を探す姿勢を持つことです。
魅力的で人が集まるお寺になれば、
自然に僧侶を目指す人も集まってきたり、
後継者になりたいという人があらわれてもおかしくないです。
確かに、少子高齢化の影響は檀家離れにも繋がっていますし、
この流れは今後も続いて更に加速する可能性もあります。
ただ、手をこまねいていては廃寺も時間の問題ですし、
あがいてこそ活路が開けるチャンスが得られます。
現代のお寺の運営の仕方の変更も
お金の話はしたくないという住職は多いですが、
お金がなければ寺院の管理も維持もできないです。
それはお金の話を避けることができないわけであり、
むしろ今すぐにでも向き合わなければいけない問題ということを意味します。
現実的な話をしてこそ理想の僧侶像を追求することができたり、
住職として将来の安心感が得られることになります。
現実から目を背けていては理想を語ることすらできないので、
将来のあり方を語りたいのであれば、
まずは目の前の問題を片づけることに注力すべきです。
檀家を集めれば安泰という時代はとっくに過ぎていますし、
檀家以外にも収益に結びつく収入源を探したり確保することが求められます。
現代には、ネットという強力なツールやSNSという武器もありますから、
これらを活用することもまたポイントの1つになるでしょう。
後継者がいなくて困っている。
誰か跡を継いでくれないかとメッセージを発信するだけでは駄目です。
そうではなく、魅力を伝えたり何とかして守りたいと思わせる。
そのようなメッセージの発信が重要となってきます。
葬儀などで受け取れるお布施や
檀家が支払う護持会費の収入だけでは限界がありますから、
拝観料やその他の収入源の確保も急務です。